ぼくが27の時に買って今までずっと使っていたsumiのギター。
当時マホガニーの良いギターを探していて、今も仲良くさせてもらってるHobo'sさんのお店の壁にかかっていたのを弾かせてもらったのが最初の出逢いです。
初めて弾いた時に不思議と「優しくて人間的な音がする」って思ったのを憶えています。
若かったけどそれなりにギターは見て弾いてきたし、生意気なようですが音は分かってきたように感じていた頃でした。
でも初めてだったんですよね、こんなに優しい音は。
ヴィンテージのMartin00-18に少し似た響き。
しかしどことなくGibsonのような奔放さ、気楽さも備えていて魅力的に映ったんです。
何よりも1弦ずつの音が細いのに弦の周りを金粉が纏わり付いているような特有の倍音が印象的でした。
そう安い代物でもないしその時はそれで帰ったんですけど、一週間も忘れられなくて。
弾いている時の感覚とその時の音がスッと思い出せる感覚。こんなの初めてで買うしかないと思いましたね。
それからはずっと一緒。
今でこそ弾き込んで解消したものの、最初の頃はピッチも甘いし、デッドポイントも気になって「何だこのギターは」と。笑
ソロギターで勝負できるかというとそこまでの完璧さは備えていませんから不安です。なので音楽の仕事では違うギターを使っていました。
それでもずっと一緒にいたのは、その不完全さを補ってあまりある人間味があったことでしょうね。
ぼくは歌ものの伴奏が好きなんですけれども、こういう時はGibsonのような味わいのあるギターがいいのです。
ネックもしっくり来るし、弾きやすいですからね。
近頃では音のバランスは徐々に解消されてあまり心配なくなってきました。
でも、今年に入って決定的に分かってしまったことがあります。
それは、自分の求めているものにこのギターはもう答えられないということ。
これは気分ではなく、はっきりと頭と心で理解しました。
ええ、それはショックでしたよ。分かってしまったんですから。あれだけ大切にしていたギターがもう自分には必要がないということが。
ぼくの多感な青年期をともに過ごしてくれたこのギターには、本当に感謝しています。
ですからどなたか大切に弾いてくださる方へお譲りしたいと思っています。
客観的にはめちゃくちゃいい音と思います。 なかなか出会えない音ですね。
マホガニー特有の軽やかで高域に明るく、同時に何物にも代え難い味わいがあります。
歌ものには扱いやすいサウンドです。
ソロギター1本での勝負よりも、インストもの(ゴンチチやDEPAPEPE)にはばっちり合うと思います。
リペアもしてますから状態もOK!
弾き込んでいるため音がそれはそれはこなれて来ています。
その辺のヴィンテージと呼ばれているマーチン、ギブソンに遜色ないのではないかと個人的には思っています。
市場に出す前にどなたか弾いてくださる方がいれば、喜んで譲りたく思っています。(もちろんただじゃないですよ。笑)
1〜2ヶ月は手元に置いておきますので、気になる方はお気軽にお尋ねくださいね。
別れは寂しいけれど、これが人生さ。
C'est la vie.